鳩というのがキライなのねん。
なんでかなー?目がなんかなに考えてるかわからんあの目が鳥類全般あまり好きじゃない。
鳩はぽっぽーぽっぽーって餌もらってるやつがおるでしょう、公園とか駅に。あの姿がなんかむかつく。
ので、鳩はきらいじゃ。平和の象徴だかなんだか知らんが好かん。
と言うのが普段の鳩歓なのだが先日わが家の庭に鳩がおりまして、そいつはわたしの車にひかれそうになりましたですはい。
ぶーんとアクセルをふかしてもじーとしておりまして、なんだこのハトこのやろひいちゃうぞと、いよいよタイヤが迫るとあたふたあたふた避けはじめ、ぱさぱさぱさとすぐそばの梅の木に落ち着いたのでした。
車を降りて梅の木の下までなんだこのやろハトやろなんて見に行きました。
ハトは「あんまりじろじろみないで下さい」と枝の上でもじもじしておるのです。
わたしは捕まえて焼鳥にしてやろう、そいつで一杯ビールでも引っ掛けようなんて思っちゃおりませんよ。
なんでこいつは飛んで逃げんのだろうと思ったのです。
怪我でもしてんじゃないかしらと。
無理して枝に止まったんだけどじーっと動けないのではなかろうか。
わたし、下からしばらく見てましたが「やめて下さい、じろじろ見ないで下さい。あっちいっておくんなまし」 とハトが行ってる様なので、着替えに自分の部屋に入り、昼ご飯を食べてまた梅の木を見に行くといるじゃないですか、ハトが。
「あ、また来た」
そんな声が聞こえた気がしました。
いよいよ、こいつは動けないなにか理由があるのだなとわたしは思いましたよ。
餌もくれない人間さまにこんな近づかせないですもの普段。
それから時々様子をうかがっておりました。
夕方読みかけの本を読んでいたらものすごく眠くなって、眠くなって眠っちゃいました。
午後の太陽は沈んじまいまして、すっかり夜でした。
夜の葉のない梅の木の影にもうハトの影はありませんでした。
よかったよかったと思ってまた本の続きを読みました。
きっと彼の寝床はあたたかいだろう。
わたしは人家から離れた木上の柔らかな草と枝で出来た彼等の巣を思い浮かべた。
つがいと温めあう彼等を思い浮かべたのでした。