むこ大陸

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優しくされているという証拠をなるべく長時間にわたって要求する(借)
 そういえば、3月横浜美術館へ松井冬子展に行って来た。

松井冬子さん。静岡の森町御出身の現代日本画を牽引されてる方ですね。
あたしは数年前、行きつけの書店で画集をお見かけしてからのファンで御座いましてね、遂にという感じで鑑賞しに行った。

展覧会のタイトルは「世界中の子と友達になれる」であります。
画集でも作品ナンバー1に掲載されている大作のタイトルでもある。
…………会場では絵のタイトルと共に画家自らの注釈が添えられていて、とても興味深かったがあたしはそれら文章は一切を無視して鑑賞した。もちろん読みましたけれど、あたしは画家の説明よりも、画家が展開するイメージ(絵画)が他人に刷り込む印象の方を大切にしたかったし、画家を信用もしているし、自分の中に生まれるイメージも信用しているので、さらっと読んで絵画を鑑賞してきた。

あたしの守護天使も随分熱心に見入っていて、二人で感想なんか言い合ったりしましたが、あたしの感覚では全体的に狂気というものが強かった。この「狂気」は見方を変えると狂気であり、狂気ではないとも言えるような感覚でした。あたしには一見、狂気に受け取れる、といった感じでしたが、守護天使様は、あたしが狂気と受け取るものが、女性には内在するものとして、大変共感していた。
なるほどー、思ったね。

女性の持つ神秘性のようなものが絵画に現れてくるとあたしには狂いのように感じられるのか?
女性には男性であるあたしには理解できない感情や痛みがあるわけですし、ナルシズムを男性よりも女性の方が意識する場面は多いかも知れないとも思えますし、それに対するアンチテーゼのように露出した内臓は女性からしたら、言葉の如く明確な意思表示とも思える。
今回の展覧会の私的目玉は「浄相の持続」、松井冬子さんをチェック済みの方でしたらご存知とは思いますが、あの花咲き乱れる野べに横たわり、内臓を露出している女性の絵画で、特に象徴されているように思えた。

この「浄相の持続」は連作で中世日本の宗教画「九相図」からヒントを得ているらしく、お坊さんなんかが煩悩を払うのに鑑賞したらしいですが生前から死を向かえ、腐り土に返るまでの九つの相を絵画に表したものに着目しているとの事。
上記のように野べ横たわり内臓を露出した女性は鑑賞者を無表情に迎える。
このように腹かっさばいては生きているはずもないのですが、あたしは強烈な「生」と「意識」を感じたし、鑑賞すればあたしに近いものを感じると思われます。

まあまあ、みなさま、これら絵画をご覧になる機会がありましたら是非ご自分の目でご確認下さい。

あたしが狂気と錯覚するのは全体的に死と自死をイメージする作品と、途方もない静けさを宿した作品たち。それと解体された生物の断片から導きだされるもので、実は深遠はまだ先にある。

それは、それら一見死んでいるモチーフ、静まり返った情景、狂わざる得ない異常な状況から導きだされ発散される強烈な「意識」と「生命」の主張。

まさに死中に活を見出すそれ。


これらは「葉隠」の《武士道といふは、死ぬ事と見付けたり》の文章の解釈として、、、死ねば良いというお話ではなくて、、常に死を思って日々過ごし、生をより意味深いものとして生きていったらいかがか、というようなメッセージと同義と解釈した。

どうです。
こんな解釈をしてあたしは静岡へ帰った。
展覧会二週しましたしね。物凄い贅沢した気分だったよ。



画集見たい人はあたし貸しますから、どうぞ次の展覧会をお楽しみにとオチもないですが、これで書き終える。

それじゃあ、画集みたい人は一声掛けてちょうだい。



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